武田ファーム4代目とのことですが、南相馬市にUターンするまでのことを教えてください。
高校を出て神奈川の農業系の大学に行き、卒業と同時に農業研修でアメリカに1年半ほど行っていました。研修が終わったらUターンするつもりだったのですが、その時に東日本大震災があり南相馬市での営農の目途が立たなくなったため、群馬県にある野菜の生産法人に入り営業の仕事を5年くらいやりました。その間に南相馬市で営農再開の目途が立ったので、こちらに戻って農業を始めました。
南相馬市に戻って、農業をやろうと思った理由は。
子どもの頃は休日にも出かけられないし、あまり好きではなかったんです。でも震災がきっかけで、何か自分に出来ることがあるんじゃないか、自分がやらなければ誰も農業をやらないんじゃないかと思い、それが「農業をやりたい」という気持ちに変わりました。
作っている品目は、お米中心に、ブロッコリーやミニトマト、カボチャ、カリフラワーなどで、旬の野菜をなるべく一年中作るようにしています。自作している田んぼは27haほどです。
「天のつぶ」「コシヒカリ」を栽培する際に気をつけていることを教えてください。
「コシヒカリ」はとても倒れやすい品種なので、肥料の適度なバランスを見極めるということと、家庭用のお米なので、食味向上のために土壌改良剤や堆肥系のものを上手く取り入れています。あとは適期刈り取りが大切です。「天のつぶ」は外食向けのお米なので、なるべくいい品質で量が採れるような栽培を心がけています。
「コシヒカリ」はお米の王道で、もっちりつやつやとしていて毎日食べても飽きないと思います。「天のつぶ」はつや、張りがしっかりしていて、冷めても粒が強調されていて、ピラフやカレーなどに合うお米だと思います。
武田さんにとって、農業の魅力はどんなことでしょうか。
「自由」というところが一番かなと思います。どれだけ休みたいとか、どれだけ働いて稼ぎたいとか、そういったことも自分で設定出来るので、それが魅力かなと思います。
お米の栽培をいろいろ学んでいくにつれて、植え方などちょっとしたことで生育にすごく差があって、時間とか手間をかけた分だけ生育に現れるのが奥深いなと思いました。
農業というと休日がないイメージがあるのですが、そこはいかがでしょうか。
基本的に自分の休日設定はしていなくて、何か用事があれば仕事を早めに片づけたり、後に出来るものは後にして休みを取っています。だから、休みたいからこの日休みにするということも出来ますし、今のうちやっておけばあとが楽になるかなという時には、時間に関係なく仕事したりしています。
休日にするのは家族の用事もありますが、研修に行くとか、知り合いの圃場を見せて貰うとか、仕事といえば仕事ですけど、自分がやりたいなと思うことは行けるタイミングで行っています。コロナ前は全国に行っていたのですが、今は地域の農業者の知り合いのところに行って、新しい品目の作り方や売り方などを研修させて貰っています。
これからチャレンジしてみたいことを教えてください。
農業は季節で浮き沈みがあるので、周年で作れる作物でもいいんですけど、ほかの分野でも栽培したいと思っています。キノコ類ですとか、魚の養殖なども取り入れていけば、農業で雇用も生まれるし、浮き沈みを解消出来るんじゃないかと思います。魚の養殖は、実際にハウスでやっている人がいます。
南相馬で「天のつぶ」や野菜を育てている想いを一言。
南相馬市で毎日野菜や米と向き合いながら、美味しいものを作りたいと努力していますので、南相馬市産のものや私に縁があるものをなるべく選んで買っていただきたいなと思います。
南相馬で農業をやってみたいと考えている方へメッセージをお願いします。
農業は、やっぱり大変だとか稼げないとか、難しいというイメージがあると思いますが、自分で体を動かして作っていくものです。まずは知り合いの農家や、この武田ファームでもいいので、一度働いて試してみるのが入り口になると思います。最初から個人で就農するよりも、農業法人やうちのようなところがいいかなと思います。
南相馬は冬も温暖で夏も比較的涼しいので、いろんな作物が作りやすく過ごしやすい環境です。農業は心も体も健康でいられるので、一緒に農業をやっていきましょう!
武田ファーム 会社概要
社名 | 武田ファーム |
業種 | 農業 |
所在地 | 〒979-2461 南相馬市鹿島区山下字狸内165番地 |
代表 | 武田幸彦 |
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